前受け身の三要素~体勢・回転・軌道

2023.11.30 2024.11.16

前受け身

新しい人に教える機会が増えてきました。
安全面からも、最初は受け身の練習から始めます。
受け身できると合気道の良さ・楽しさを味わえるので、上手く伝えたい。

どうすれば前受け身のこんな失敗 ↓ を防げるのか、試行錯誤中です。

合気道、前受け身、よくある失敗、綺麗な受け身
参考動画を探すことで、自分自身の学びにもなりました。
私自身も前受け身が不安定だから、飛び受け身が下手なんだと気付きました。

前受け身とは

「そもそも前受け身って何?」って方は、こちらの動画①をご覧ください。
要所要所に字幕があり、とても分かりやすいです。
(養神館なので、転がった後の足の形は合気会と違います)

0:22 前受け身 (養神館では前方回転受け身) とは
1:15 詳しいやり方と注意点

前受け身の三要素

前受け身には主に3つの要素があります。
  1. 体勢=滑らかに転がる (ぶつからない・つぶれない)
  2. 回転=縦回転 (横向きにならない)
  3. 軌道=まっすぐ転がる (曲がらない)
どれが欠けても綺麗な受け身になりません。

要素(1) 体勢

初めてだと、頭・肩・肘をぶつけることがあります。
顎を引き、腕はしっかり張ることが必要です。

ずっと、肩は角ばってるのに受け身の時なぜぶつからないのか、不思議でした。
動画②↓で、その理由が分かりました。
小指の先を自分に向け肘を張り、胴体を前腕方向にねじると同時に、肩甲骨から前に押し出すと、人体の骨格構造的に小指~背中のアーチの中に肩がおさまる。角がなくなる。とのこと。

たまに聞く「鉄の輪っかを作る」は、こういう意味もあったのね!
小指~肘~肩~背中~反対側の腰で円を作って「丸いタイヤのように」(動画① 1:26) コロンと転がります。

2:52 お腹は正面、上体を傾けながら、腕が前に来るように腰から胴体を回転、肩甲骨から腕を前に出して、肘を張る。反対側の肩は後ろへ。重心が前足へ移動して、指先を畳につく。重心が真上を通るように回る。
4:48 恐怖心から、手をつく時に肩を引いてしまい、腕のアーチがなくなって肘・肩がぶつかる。

体勢が悪いと、ぶつかったり、つぶれたりします。
「ぶつかる」ほど痛くないけど「つぶれる」も困ります。
体の力が抜け、最後に畳の上で体がべちゃ~と潰れて広がり、起き上がるのにモタつきます。

1:49「体をかためた丸」ではなく「ボールのように中から広がろうとする丸」のイメージを持つ。
2:23 転がった後立ち上がる前に休まない。バネの力 (や骨盤の回転) で起き上がる。

4:15 relaxed tension の表現通り、リラックスしつつも、適度な張りが必要。力み過ぎると角が出来てぶつかるし、完全に力抜いたら、床の上でベチャ~と体がつぶれて広がり、立ち上がれない。
立ち上がりながら息を吸い、吐きながらリラックスして転がっているのがよく分かります。

要素(2) 回転

最初の頃は横回転になりがちですが、これは恐怖心が一番の原因です。
小学校の体育で、両手・頭をつく普通の前転できた人なら、必ず前受け身できるはず。

「怖い」と思うと、失敗して痛い思いをします。
ひとりで練習している間は、失敗しても最悪アザが出来る程度 (広い場所で練習してくださいね)
「私は出来る!」と思い込むのが、成功の秘訣かも。

綺麗に縦回転できない物理的な原因、主なものは以下の動画で説明があります。

頭からまっすぐ突っ込むのが怖いので、体が横を向いてしまう。
4:39 手をついた時に体が開いて、背中から横回転になってしまう

6:12 前膝が正面ではなく、内向きになると、背中から横回転になってしまう

また、要素(1) 体勢と重複しますが、腕の張りが潰れても上手く回転できません。
4:12 肘が折れないようにする

綺麗な縦回転はこんな感じです。↓

4:16 畳の線の上に立ち、前足の前に小指を接地、小指から入った線~肩を抜ける線~後ろに抜ける線で一直線に回る。その逆回転が後ろ受け身になる。

5:28 ぶれずに綺麗な縦回転。

要素(3) 軌道

長年続けていても前受け身の軌道曲がる人、意外といませんか?
って私だけかしら…。

左腕からなら左へ、右腕からだと右へ、という感じ。
まっすぐ転がらず、右・左・右・左、とジグザグになってしまう。

スタート時点の課題は、最初の手のつき方と、やる気あり過ぎ問題 (力む・飛ぶ・後ろ足で強く蹴る) 転がった後の課題は、膝と体の向きのようです。
まっすぐ転がるために気を付けたい点、以下の動画に説明があります。↓

0:57 手は前に突き、頭もまっすぐの線上を通過する

7:25 重心が前足に移動して、最後まで前足で支えている。ギリギリまで粘る (後ろ足で蹴らない)

5:44 転がり終わった後も、前足の膝は正面を向く

私の場合、背後の取りを意識しすぎて、受け身後の着地時点で膝と体が横向きになってました。
早く向き直れるけど、そのせいで軌道が曲がってしまう。

3:21 まっすぐ正面向いて起き上がった後、取りの方を向くために、転換。

体幹強い人は、腕や足や体の向きがどうであれ、軌道を保てます。
男性は筋肉量が多いから、体幹も強いのかな。
羨ましい!

私は体幹が弱いから、基本に忠実に受け身するよう心掛けます。
でも掛かり稽古や演武で必死になると、すぐ横向きに着地しがち…。
膝をきちんと前に向け、最初から最後まで、体幹部分が真ん中を通るとこんなに綺麗なんだな~。↓

4:48 体の中心軸はまっすぐ保つ。 
5:28 受け身がまっすぐで美しい♡

ちなみに、動画⑧SR先生や動画⑨MD先生、教える時は基本の縦回転だけど、普段は少し横気味の回転に見えます。↓
身体能力高い人は、どんな風に受け身しても上手い …こうやって長々書くのが アホらしく 嫌になりますね…。

5:20 SR先生の前受け身。スローモーションで袴も着用してないので、見やすい。

⇒ Amazing Aikido Training - Hiroaki Sato (動画⑪ BGM音楽のみの演武)
1:10 受けがMD先生。片手取り回転投げの前受け身4本。
1:46 諸手取り呼吸投げの前受け身4本。

このLS先生もすごいですよ。
硬いタイル上で受け身してるとは思えない …柔らかさしか感じない。↓

⇒ Ukemi: Rolamentos, Quedas e Exercíciosi(動画⑫ ポルトガル語・英語字幕対応可)
12:57 玄関外のタイルで前受け身。

受け身は奥が深い

受け身は自分の体を守る、という文字通り受け身的なものと思っていましたが、もっと深い意味があるみたいです。↓

身を守るのは言うまでもないが、受け身を通して張る力を養い 5:35 重心移動の訓練をしている 7:45

そうだったんだ!
受け身が上手い人は技も上手い」と聞いた時は、単に「相手に合わせるのが上手」という意味だと思ってた。
それだけじゃなかったんだ。

今後の課題

常にまっすぐ、綺麗に縦回転できるようにしたいです。

人によって、左右どちらかで得意不得意がありますが、私は右が苦手です。
飛び受け身も右側の方が怖いので、体が開いて、背中から落ちることが多いです。

前受け身なら誤魔化せる回転・軌道の甘さが、飛び受け身で露呈します。
前受け身が安定したら、技も飛び受け身も上手くなるはず!
頑張ります。

余談ですが、転がり終わる時、足刀や外くるぶしを打ち付けて痛める人がいます。
脛~足の甲の面ではなく (どこか一か所の) 点で接地してる?横回転になってる?膝や足首が硬い?
最初から跪座状態、つま先の指の腹部分で着地する人を見つけました。↓

2:24 転がり終わった時の後ろ足、跪座で畳に着地。

これなら少なくともくるぶしは打ち付けない。
でも逆に指を痛めちゃうかな?
人によって違うので、色々試して、自分に合う方法を取り入れると良いと思います。

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ここから下は たまに意味不明な 稽古備忘録です。

11月1週目の稽古

金曜日の演武会

藤沢合気道会 2023.11.3

稽古場所の藤沢青少年会館の秋祭に、当会も参加。

午前中は隣接の公園で、焼きそば屋台をやりました。

いつも合わせて動く練習してるから (?) 息ぴったりの共同作業で200食完売!
足が棒になりつつも、楽しくて「来年も焼きそば係やりたいね」と言い合いました。

午後は演武会です。
見学者が予想外に多くて緊張しました。
  1. 座技・半身半立・立ち技の説明と演武(Izさん)
  2. 少年部の受け身実演と演武(人数合わせで私も参加)
  3. 私の演武
  4. Mさんの演武(短刀取り)
  5. Nさんの演武(太刀取り)
  6. Iさんの演武(杖取り)
  7. Fさんの演武
  8. 先生による護身術の説明
  9. 先生の演武
これを30分でやったので、盛り沢山でした。

私の技が中途半端で受けの Hさんが迷う場面が多く、申し訳なかったです。
実力不足を痛感しました。
Fさんの受けの時、迷う暇なく投げられて「これを目指さねば」と強く思いました。

日曜日の稽古

Day565 藤沢合気道会 2023.11.5

今日は Fさんが先生役に指名されて、T先生も我々と一緒に稽古しました。

両手取り四方投げのストレッチ

受けはギリギリまで粘って、背中を伸ばす。

両手取り四方投げ (表)

最後の抑えまできちんとする。

両手取り四方投げ (裏)

裏に入って、相手を背負うように密着。離れない。

片手取り呼吸投げ

手はその位置に置いて、転換して並び、前へ。

片手取り呼吸投げ

手を取られる前に動く練習。

片手取り呼吸投げ

お腹合わせに180度相手と場所を入れ替わり、袖を持って、沈む。

正面打ち一教投げ

掛かり稽古。

T先生、Oさん、Mさんと強者揃いの組だった。

Oさんは長身なので、こちらに合わせて膝の屈伸を使い、下から上、がよく分かった。


T先生の投げ。

受けて起き上がると、もうそこにいる。先の先の先を取られる。

圧がすごい。立ち上がるか上がらないかで、もう投げられてる。

もう嫌だ。起き上がりたくない。 起き上がりこぼしの気持ちが分かった。


先生が受けの上腕を斜め下から外側へ流すように切り上げてる気がして、真似した。

でも恐怖心で横にズレ過ぎたみたいだ。

先生「真っすぐ当たって!避けない。真っすぐ!」難しい。

正面打ち入り身投げ

掛かり稽古。目が回る。

座技呼吸法

真っすぐ当たって、そのまま、相手の脇の間に遅れずに体ごと移動。

最後、一教の抑えと同じ。両膝で相手の脇と腕を抑えて、三角形。

先輩に投げてもらう

10本ずつ。

11月2週目の稽古

月曜日の稽古

Day567 藤沢合気道会 2023.11.7

ゴロゴロ運動

諸手取り一教 (裏)

転換しないで取るやり方。

持たれた腕を水平かちょっと斜め上くらいに張って、相手のお腹側に出る。

相手の外側の肘が曲がって、脇が空くのが理想。


相手の脇が空いたところから、後ろに入り身して、落とす。

上下に落すというより、斜め下に一緒に移動しながら連れていく。

諸手取り一教 (裏)

今度は転換入れる。

受けは粘って、脇を伸ばすようにして受けると、体の練りになる。

諸手取り一教 (裏)

今度はつかまれる前に動く。


先生「相手が入ってくるのを待つ。

最初の転換は180度まで入れずに浅めにしてる?

その後、受けが自ら誘い込まれてくるのを待っている?

確かに、そのつもりなくても自然に体が寄っていってしまう。


真似しても出来ない。

最初の転換の崩しが効いてるので、崩されたまま誘い込まれるんだろうな。

諸手取り一教 (裏)

さっきは外側に転換した。


内側からも出来る。

相手のお腹側に少し入りつつ、相手の手を上から二教につかんで、裏に入る。

諸手取り四方投げ (表)

これも、上の手でも下の手でも掛けられる。

上の手の時はやりやすいけど、下の手の時は相手の足が逆なので、ちょっと前に出にくい。

でも「裏は逃げてるから、表に行く」とのことで、表で練習。

諸手取り呼吸投げ

転換して並んで、前に出る。


あるいは誘い込んで、同じ向きのまま、前へ投げる。

これが難しかった。

片手取り呼吸投げ

腕で投げつけようとしない。

持たれた接点は動かさず、転換で並んで一緒に前に行く。あるいは沈む。

天地投げ (裏)

ストレッチ的に。受けの背中を伸ばす。

日曜日の稽古

Day568 藤沢合気道会 2023.11.12

今日は先生のご指名で、Iさんが指導役。

座技正面打ち一教

白帯はしっかり膝行。黒帯は歩かずに出来るように。

正面打ち二教

下で低く取る。

正面打ち三教

正面打ち四教

私の四教は効かないと思って必死にやっていたら、Hさんに「そんなに私のことが憎いですか?」と聞かれた。

めちゃくちゃ痛いそうだ。え、効いてた?

でも Hさんの拳ダコで決める四教もすごく痛いよ。お互い様 ⁈

片手取り入り身投げ

正面打ち入り身投げ

最初の入り身がどうしても曲線を描いてしまう。まっすぐすれ違うように。

片手取り四方投げ

半身半立ち四方投げ

T先生に組んでいただく。

つかまれてから、腕をお腹に集めようとしても動かせない。


引くんじゃなくて、相手が来る線を伸ばす。

相手が取りに来たのを、紙一重でスゥ~ッと自分の方に手を引き込む。

相手の線に沿うので、必ずしもお腹とは限らない。胸辺りかもしれない。


相手は空振りして、前のめりになる。

「ここまですれば、何とでもなる」

そのまま先生が体勢変えれば、呼吸投げにもなるし、抑えにもなる。


先生はこちらを崩してるから、ほとんど足を動かさずに四方投げに入れる。

安定感がすごい。

崩しが中途半端で、膝行して四方投げして、自分がヨロける私とは全然違う。

片手取り呼吸投げ

自分が前に出ていく投げと、転換して相手を前に出す投げの2種類。

前に出ていく投げは、相手につかまれた腕の力を抜く。

相手が手を離したら、自分の腕がストンと落ちるくらい。

そうすると、純粋に腕の重さで相手とつながれる。


腕の外側を使って動かそうとすると、力んでしまう。

腕の重さでつながったところ、腕の中側、もたれた部分の中心?と体を使う。

まずは指先から出る、そして体ごと(腕だけ、とか上半身だけ、ではなく)前に出る。


もう1つの投げ方も、腕の力を抜いて、同じように腕の重さでつながって、転換。


難しい、と悩んでいたら、Mさんが掃除の時、またヒントをくれた。

ホウキの柄を握る。しっかり握られても、その柄を握ったところ中心に動かすのは可能。

「これと一緒です」なるほど。

どうしても腕でやろうとしちゃうんだよなぁ。

11月3週目の稽古

日曜日の稽古

Day569 藤沢合気道会 2023.11.19

先週に引き続き、Iさんが指導役です。

片手取り呼吸投げ

そのまま前へ出るのと、転換して並んでから前に出るやり方。

正面打ち一教

T先生に組んでいただく。

先生に指摘されたことは大きく4つ。

  1. 相手を待たない。4本繋がっているつもりでやる。
  2. まっすぐ木刀を突き付けるような形 (私は肘が曲がって、脇が空いている)
  3. 体で相手の脇の三角に入っていく (私は腕力ばっかりになっている)
  4. 自分の足腰を使い、相手を一緒に連れてくる (腕で引っ張らない)

その通りにしようと思うのに、体が言うこと聞かない。

直したい。

逆半身片手取り四方投げ

(表) 相手が来るのに合わせ、前足を引きつつ体を開いて誘い込む。

その足でまた踏み出しながら四方投げ。


(裏) 表と同じでもいいし、後ろ足で転換気味に誘い込んでもいいのかな?

片手取り入り身投げ

Uさんの入り身は柔らかいのに、すごく効果的。
ふわっといなくなる。やっぱり足捌きだな。

正面打ち入り身投げ

背の高いNさんと組むと、全然崩せない気がする。

「崩れますよ。こっち (受けの身体がすでに行きかけてる前方向) でもこっち (密着して自分の方に。受けの斜め前後ろ) でも。」

「自分が」なんとかしよう、と作為的にならず、素直にすでに動いてる方向に行かせればいい。

正面打ち小手返し

横面打ち四方投げ

相手からどんどん離れてしまう。

「短刀取りでもよくあるけど、その位置だと斬られる可能性が高い。」

相手の懐に入って、場所を入れ替わる。


課題は恐怖心の克服かな。

11月4週目の稽古

日曜日の稽古

Day570 藤沢合気道会 2023.11.26

後ろ取り四方投げ

腕を振り上げて抜けようとしない。

多少は上げるかもしれないが、基本は腰を落として、体で抜けること。

自分と相手の足が平行になるくらい体で抜けると、目の前に手首が来るので、それをつかめる。

後ろ両肩取り四方投げ

Uさんは受けを動かすだけでなく、こちらが取りに行く肩を下げている。

下げながら回って、抜けるタイミングで戻る?

抜けた後は相手を連れてくるように後ろに下がる。

私のように焦って手首をつかもうとはしない。


私は投げ急いでるんだろうな。

すぐに手首をつかもうとしてしまう。

それよりも、ちゃんと崩すのが大事。

後ろ片手取り襟締め四方投げ

相手が来るのと同じ方向に回り、最初に持たれた手をつかんでる手首をとって四方投げ。


最初、逆回転で抜けながら、襟締めの手つかんで四方投げしてしまった。

今回のテーマは、相手の動きをそのまま行かして、抵抗しない投げ。

相手に襟締めされる前に四方投げ出来るので、安心。

木刀振り

半分ずつ、木刀を振った。

正面斬り、前後斬り、四方斬り。

投げ合い

お互いに20本ずつ。

黒帯は追加で10本ずつ。


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