2023.12.31 2024.11.18
達人の腕の感触3タイプ
合気道では、相手の腕をつかんで練習することが多いです。
腕をつかませてもらっただけで オヌシやるな 上手な人だと分かります。
達人の腕の感触を無理やり分類すると、ふわふわ・ズッシリ・ビビビの3つです。
ふわふわ
腕をつかんでるはずなのに、持っているのか持っていないのか分からない、つかみどころのなさ。
まさに暖簾に腕押し、その腕に力を加えようとするほど、支えがなくて自分で勝手に倒れてしまう。
「なぜか倒れちゃった」という感覚。
何度見取りしても、掛けてもらっても、その人の体の中で何が起こっているのか見ることはできない。
謎でしかない。
でも、本人自ら言語化してくれたブログ記事がありました。
東湘合気道会のH先生、ふわふわ腕の持ち主だと思います。
しかも、技や腕の感じが、私が存じ上げているこの数年でもどんどん進化している。
だから今はもう、この2023年4月ブログとは違うかも知れないけど、とても興味深い内容です。
(私の先生は、出稽古「いいよいいよ、どんどん行きなさい」派なので、当会の稽古の後、たまにお邪魔します。)
先日は、上半身の力みを取ることに特化した稽古でした。
教えてもらった時、一瞬だけ出来ました。
すごく嬉しかったです。
私はふわふわとは真逆で、初めて組む人に80%の確率で「腕と肩が力み過ぎ」と言われるので (残り20%は指摘しないだけだと思う) これを身に着けたいと思います。
ズッシリ
ズッシリの達人、私にとっての筆頭は、当会のT先生です。
本人曰く「僕はそんなに大きくないけど」の通り、背がすごく高いとか体重あるわけでもないのに、とにかくズッシリなのです。
腕をつかむと、ズン!とした感触。
皮膚の内側は全部金属なのではと思うほど、重たくて中身が詰まってる感じ。
T先生の半身半立呼吸投げ、他の取りの倍疲れるのは、毎回畳に沈み込むような重力と戦って起き上がるから。
先生の体の中で何が起きてる?どういう意識で動いてる?と不思議でしょうがない。
理屈こねると「頭で考えるより、体を動かす。とにかく稽古」と諭されるので、飲み会中に 寝そうなところを揺り起こして 質問しました。
ほろ酔いなら、先生もうんちく語っちゃうかも …と期待したけど、真顔で同じことを言われました。
無駄に酔いを醒ましてしまった。ごめんなさい。
答えてもらえても聞いただけでは出来ないし、先生がいつも仰る通り、稽古するしかないのは確か。
ビビビ
つかんでる腕から電流に似た何かが伝わってくる感じ。
電流が腕から胴体に届いたかな、と思うと投げられてる。
勢いよく向かって行ってつかんだ時、よく感じます。
一番最初にこの電流のような流れを感じたのは、何年か前の昇段審査で受けした時。
半身半立ち技で腕を取りに行ったら、ビビビと腕から体の中に何かが流れ込んで、空中で回転してた。
その時以来、前よりも感じ取ることが出来るようになりました。
審査の後、いつも稽古している先輩と組んだら「あれ、先輩からもビビビって来る!」
今までは感覚が鈍くて、気付いてなかったんだ。
少し成長した気がして、嬉しかった瞬間でした。
少しでも近付きたい
無理やり分類したけれど、複合型だったり、最初ふわふわ → 投げ始めたらズッシリとか、いろいろあります。
始めた当初は感じ取れなかった様々な感覚、少し分かってきました。
とても面白いです。
全て感じたいと、しっかり相手の腕をつかむようになりました。
ただ「腕を持つ」だけではダメ。攻める気持ちでしっかりつかむ。
「小指と薬指でしっかり握って、手の平を密着させる」「取りの中心を取る意識でつかむ」と言うけど、そうしないと、せっかくの感触が伝わらない。
持ち方も大事だと改めて思いました。
全身全霊で相手に向かって、その技を全部味わう。
真似出来るレベルにもまだ達してないけど、いつか、少しでも出来るようになりたい。
夢は大きく、行動は小さな一歩から。
出来ないけど、やれるようになろうと努力する瞬間が楽しいです。
ここから下は
12月2週目の稽古
木曜日の稽古
Day571 藤沢合気道会 2023.12.7
今日の稽古、先生が来られないので、先輩が来るまで私が指導して、と先生から電話いただいたのが朝。
何しようかな、とソワソワして仕事に身が入りませんでした ← 給料泥棒
私が今まで教えてもらった中で、特に役立った事を共有したい。
でも見取りも説明も下手で、うまく伝わらなかった。
実力も伝える力も足りない…。
途中からいらしたNeさんに後光がさして見えました(笑)
早速、指導役を 丸投げ 替わっていただく。
ありがとうございます。
準備体操
身体のねじれの左右差を緩和する前腿ストレッチを取り入れました。
入り身転換
テーマ:自分の作業台の保持。
片手取り呼吸投げ
テーマ:受けが手をつかむ際の心構えとつかみ方。
片手取り四方投げ
テーマ:剣の素振りと同じ軌道 (おへそ~額) から腕を外さない。
隅落とし
テーマ:相手のバランスを崩す。
後ろ両手取り呼吸投げ
テーマ:自分の作業台を確保。相手の流れを生かす。
受けはしっかりつかんで、接点から取りの重みを感じたい ← 特にこの説明がグダグダだった。
言語化できるほど理解できていませんでした。
以降はNさんの指導。
後ろ両手取り一教
呼吸投げ
互いに手を合わせたところから。
外側に入り身して、相手の手首をつかみ、もう片手で下から添えて、前へ出る。
正面打ち呼吸投げ
2通り。
さっきと同じように外側に入る呼吸投げ。
内側に入って、一緒に沈む呼吸投げ。投げた後抑えるところまで。
正面打ち呼吸投げ (一教投げ)
掛かり稽古で6本ずつ。
相手の足元から摺り上げる。
日曜日の稽古
Day572 藤沢合気道会 2023.12.10
今日はいつもの施設が借りれず、初めての場所で稽古。新鮮。
Fさんが指導役。
畳4枚で受け身練習
この練習方法は初めてやった。面白い!なるほど!
真っすぐコンパクトに受け身を取る練習ができる。
厚木のO先生が、学生にさせていたそうだ。
これを永遠にやってから、やっと稽古なんだから、そりゃあ部活生は上手いはずだ。
入り身転換
持たれた手首の位置は動かさない。
片手取り呼吸投げ
正面衝突しないように、ちょっとだけ角度を付ける。
斜めになり過ぎると、腕ばっかり使おうとしてしまう。
相手の首横狙って、まっすぐ前に体で出る感じかな。
片手取り呼吸投げ
転換して並び、下で相手の手首をつかんで、上の腕で切り上げる。
最後、しっかり残心。ぐらつかないように。
転換しながら沈んで、下→上への流れも使って、体 (特に胸かな) を開く感じかな。
片手取り呼吸投げ
転換しない。回らない。
そのまま、相手の手首をつかんで、脇の下に自分の腕を差し込む。
その腕で槍を突くように、前に向かいながら、親指内側方向への螺旋の動き。
片手取り呼吸投げ
転換して前に出ながら投げる。
持たれた時にはもう並んでるくらいのタイミング。
持たれてから動かない。
片手取り呼吸投げ
肘を畳んで相手を吊り上げて、前に出ながら腕を伸ばす。
最近の個人的テーマである「肘の絞り」が肝だと思った。
片手取り呼吸投げ
持たれた腕は放っておいて、相手とすれ違うように表側に進む。
相手の後ろに入ったところで、後ろから落とす。
技っぽくないけど、一番効果的かも。
最初の一歩で横に出たり、腕を力ませたり「やったるぞ」感を出さない。
片手取りからの抑え
相手が取りに来るところを、下から上に誘導するように肘を畳んで、相手を引き込む。
お腹合わせになるくらい相手を連れてこられると理想。
相手の肩口を抱きかかえるようにして、一緒に沈む。
色々と「相手の手が引っ掛かるようにした方がいいかな」「自分の腕は外側?内側?」と考えすぎると上手く行かない。
何も考えず、三教のように自然に肘を畳むだけ。
片手取り一教
転換、内回転で入って、そのまま相手を畳に落す。
流れるように、滑らかに。途中で止まらない。
相手の腕を持ち上げてくぐらない。自分が低くなって抜けていく。
片手取り回転投げ
さっきの練習を生かして、回転投げ。
後稽古
諸手取りでも、そのまま自然にすれ違うように歩いていけばいい。